フジVSライブドア 第二ラウンド

だいぶ空いてしまいました。が、ここに来てフジとライブドアの戦いがまた面白くなってきましたね。3000億円分の新株予約権発行。単に「増資」ではなく、「予約権」というのがまた微妙なラインを突いていて、おかげで、まかり間違って裁判で勝ったとしても、すべての株を買わないでもすむ。3000億の増資を、フジは「当初のTOBの費用の範囲内」としているけれども、これは少し誇張でしょう。「財務への影響は軽微」とするのは、ライブドアに対する当てつけではあっても、そこまで金をかける筋合いはもともとない。加えて、ライブドアが今回の増資を差し止め請求して裁判に持ち込んでも、長期化するだけフジが有利になり、裁判で負ければまさにそのことが、ライブドアの「ニッポン放送増資計画」に対する判例として機能する。最も少ないリスクで最大の効果を得ようという、フジもなかなかしたたかな戦略を考えたものです。

一方のライブドアは、早く50%を獲得して臨時株主総会を開き、取締役陣を送り込みたいところでしょうか。しかし、これにもいくつもハードルがありますよね。そもそも「取締役陣」を張るに足るだけの人材がライブドアに本当にいるのか不安でもあるし、なかなか先行きが見えない感じです。目下、ライブドアの「生命線」であるところの株価、一時買い戻しがかかって下支えされるかに見えた均衡線を破って下落中。フジの最大のねらいは、ここにあるのでしょうが、今回のフジの奇策によって、ライブドアの株価がどこまで下がるのかが、勝敗の分かれ道となるように思われます。

それにしても、今回の一連のバトルは、まさに僕が経済を勉強しようとするときに起きてくれたので、いろいろと勉強になりました。